連日けっこうわたしがテレビを見てるので、花種さんもオリンピックというものを知りました。体操のハイライトを見ていたら、「たねちゃんもやってみる！」と居間の隅で激しくゴロゴロのたうち回っている。「ほらっほらっ」と本人は多分宙を舞っているつもりっぽい。そして出来てるつもりっぽい。まだイメージと自分の身体感覚の大きな差に気付かない5歳。お風呂でもわたしが身体を洗っていると「みて！」と鼻まで湯船につけて、今度は競泳のつもりっぽい。ちなみに花種さんの水泳体験は海で浮き輪でバタ足くらい。湯船を顔をつけたまま行ったりきたり行ったりきたり。随分やってるなあ…と見ていたら突如鼻に入ったらしくむせた彼女。ごぇほごぇほ！と咳き込んだあと「ママ、オリンピックって難しい…」というもんで、どうやら1人オリンピック開催中だったみたい。「そりゃあオリンピックって大変なんだよ。すごいすごい頑張った人の中から選ばれた人しかでれないんだから」というと「はあ…たねちゃんもっとカンタンかとおもったよ…」と、我が家の狭い風呂場でオリンピックの厳しさを垣間見たみたいです。
午前11時2分、黙祷。戦争という言葉は知っていても原爆はまだ知らない花種さん。一緒にオリンピックのニュースを見ていたら、原爆投下の映像が流れてきたけど何かを尋ねられないうちに消した。こんなにも酷いことがこの世で起こるって知るのは、もうちょっと先であっていいと思うから。