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気長に

東京からお友達家族たちが遊びにきてくれて、みんなでご飯食べたり散歩したり。年上のおねえちゃんたちにはいつもなぜかこっちが気まずくなるくらい固まってしまう中村花種。今日も今日とて優しく話しかけられて完全フリーズ。質問されても完全フリーズ。してるので「聞いてないふりしてるけど今全力で耳を傾けてるでしょ」と言ってみると、恥ずかしそうにニャハハって笑う。無表情装ったその顔の下でドッキンドッキン感情が波打っているのを母は感じております。
そんな中村花種のことをよーく知ってくれてるお友達たちですので、相変わらずの花種さんにも気長に接してくれ、今の新しい環境のこと「よかったねえ。本当によかったねえ」と言ってくれた。
返事も挨拶も声が小さすぎるし、自分の意見言えないし。「もう小さい子じゃないんですからこのままじゃあちょっとね」と何度言われようともどうしても声が出てこないその心を、こじあける策もわからず、無理にこじあけたいとも思わず。でも「おかあさん、このままじゃ」って言われるたび、本当ドンヨリしんどかった。
無表情装った顔の下で波打ってる心を。見つめて待っててくれる先生や学校に出会えて、今、ほんとに楽になれた。花種さんのほとばしるパッションについてはもうよくわかってる。それが外の世界に向けられるのを、気長に気長に待てばいいって、今やっと心から思えてる。