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大きなものをもらって

花種さんが「リンちゃんって覚えてる?」とわたしがすっかり忘れていた去年飼っていたカブトムシのことを話だし「バターってリンちゃんの生まれ変わりなんだよ。だから背中の模様がちょっとカブトムシっぽいでしょ」と思ってもみない説を唱え出しました。「う…ん?そうかな。そうかもね〜」と言いつつ、カブトムシがうさぎに生まれ変わったとはなかなか思えない自分がいましたけども、でもそうやって大切な存在は別れがきても、姿を変えて自分のそばに在り続けてくれている、そう彼女が思えていることは、なんだかとても嬉しいことだった。今朝祖母が亡くなった。ほとんど寝たきりの祖母に会うと、子どもたちはどこか怯えたような緊張した面持ちで頷いたり手を振ったりするだけだった。元気に話したり笑ったりしている祖母とは出会えなかったから、それは子どもの自然な姿だったとも思う。でもわたしのことも、わたしの子どもたちのこともとても思ってくれた祖母の愛情は受けとっていると思う。姿は消えても形はなくなっても、そんな大きなものをもらって、もらい続けて、生きていくんだと思う。わたしも、子どもたちも。