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ひょーたの仏心

わたしは知っている。最近うちから徒歩15分強の駅までの道のりをひょーさんがバスで向かっていることを。
それを指摘すると「知ってた~?いやあ、寒いのと自転車が小さいのが恥ずかしくって」とテレテレしてるけど、わたしが10年くらい乗ってる無印の小さめ自転車じゃそりゃ恥ずかしいよね。もしくは花種さんのチャイルドシート付きママチャリが我が家にはありますけども本来はもう一台、サドルの細〜い高〜いひょーさん専用お洒落自転車があったのです。中古で購入したけど我が家の自転車の中では一番良いお値段がしたその自転車は、冬になる前に盗まれたのでした…。ひょーさんの自転車が盗まれるのは何度目でしょう。なぜ何度も不運に見舞われるかというと、彼は駐輪場で鍵をかけないからです…。
盗まれた~と聞いて「また鍵かけてなかったの?!」と聞くと「うん」と平然としてるから理解不能。「なんでかけないのよ?!何度目よ?!」と問いただしても「人を信頼してるんだ」「信頼したところでいつも盗まれてんじゃん!」「僕は盗んだ人にこそきっとバチが当たると思うから別にいいんだ」「何の悪いこともしてないのに自転車盗まれるのは何のバチなわけ?!」「いやいや、僕は盗まれても怒らないんだ。なくなっていくものに執着はないんだ」って、なんなのよ…。「執着しないなら物買うな!!」と、エキサイトするのはわたしのみというのがまた理不尽極まりない。
ひょーさんのこの仏心。人にも割に寛容だけども自分のミスに対しても海のように広い心。もう慣れたけどもさあ。自分のミスに落ち込まれてもイライラされても嫌だけどもさあ。だいぶ半笑いに包んで会話出来るようになってきたけどもさあ。
鍵かけてよね…。