この数年、卵を買わせてもらっている藤野の傘松ファームのかおりさんに誘ってもらってファームに遊びに行った。傘松ファームの卵は安くはない。でも安い卵がどうやって作られているか知ってから卵は安くて当たり前、なんてとてもとても思えなくなった。養鶏の問題を知識としては知ったつもりで、その上で自分がよい、と思える選択をしてるつもりで、傘松ファームの卵を買わせてもらって数年。今日抱き上げた鶏の足の裏に触った時、そのあたたかさと柔らかさに驚いた。わたしは知った気になっていただけだ、と思った。鶏の足の裏は、あたたかくて、やわらかい。草や土を踏むための足をしてる。金網の上に立つための足じゃないなって。何かを知っても、感じることなしに、理解するなんてできないんだなって、そう思った日だったよ。