そっと重ねるように
ススキの横をふあーーーーーっと吹いていった風に、なんでか胸がいっぱいになって、もう会えなくなった人のことをおもった。
去年から今年はたくさんのお別れがあった。風や光にふと胸がいっぱいになる時、そこに、会えなくなった人たちのおもいが重なっている気がする。体はなくなっても、なにかや誰かに思いを重ねるようにして、この世界を去っていくことができるのかもしれない。
だからこの世界には、ふいの美しいものが溢れているのかもしれない。
お別れを通して、そんなことをおもうようになった。
わたしもいつか、なにかや誰かににおもいを重ねるように、消えていきたい。
美しいこの世界の一部にそっと重ねるように。